天使のむすめのこと(7)マグセントの副作用と「出産」のせめぎ合い。

こんにちは。永嶋泰子です。

転院の翌朝。

MFICU(母体胎児集中治療室)の病床に移動。

ここでは1日3回の血液検査、検温に加え、ウテメリン、マグセント。

そして子宮内感染が疑われるため抗生剤の点滴がはじまりました。

子宮収縮(お腹の張り)を抑えるウテメリン・マグセントの副作用で体はほてり、ベッドに寝たきりにもかかわらず心拍は常に走ってる状況に近く、全身の筋肉を緩めるため力が入らない。

尿管にカテーテルが通され、入浴はできないので清拭、洗髪もベッドの上。

さらに破水の影響で、ベッドは下半身の高くし頭は低い位置という姿勢。

子宮に負担をかけないよう寝返りを打つのも慎重に…という有様。

すぐに背中が痛くなりました。

さらに、
私の不安を増大させたのは「出産の時期」

NICU(新生児集中治療室)の完備された大学病院では、妊娠22週以降が可能でした。

仮に出産になっても赤ちゃんを救うための治療をすることができるのです。

このとき、私は妊娠23週。

しかし、たとえ生まれたとしても生存率は低く、うまくいったとしても障害の残る可能性が極めて高い。

「可能な限り母体で育てる」が産科の主治医の意見でした。

また、経膣分娩はお腹の赤ちゃんへ負担が大きいため帝王切開にする、という話でした。

一方、万が一生まれた後、赤ちゃんを治療することになるNICUの小児科医の意見は

「子宮内感染が疑われるのなら一刻も早く出す(出産)すべき」
というものでした。

おそらく、相当なせめぎ合いだったのでしょう。

1日のうちに医師が病床に何度も来て、

「検査結果によっては出産ということもある」と言い、

1日3回の検査の他に、特殊な検査も行うことになりました。

実は、子宮内感染だと断定できなかったのは理由があります。

白血球の値が感染してるレベルにもかかわらず、私自身が発熱しておらず、感染してるという断定ができなかったのです。

しかし、近日中に帝王切開になることは産科医の主治医および小児科医で合意しており、「いつ」が重要な問題でした。

そんな中、私の心の準備を促すため、助産師さんがNICUについての説明をしてくれました。

そのとき、夫・母も同席していましたが夫は現実味のない感じでした。

当時の夫の手紙には

正直に言うと、
3〜4ヶ月先の話だと思ってるから

とあります。

…..

おそらく母もピンと来てなかったはず。

なぜなら妊婦の私に会ったときはすでに病床にあったから、お腹の大きくなった姿を見ていないのです。

目の前にいるのは顔色の悪い尿管カテーテルのついた娘の姿。

それが切迫早産で入院する妊婦の現実なのです。

永嶋泰子

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