天使のむすめのこと(8)夜がくるのが怖かった。

こんにちは。永嶋泰子です。


MFICUに入院することになり、たくさんの点滴をぶら下げ瞼をあげる筋肉すら衰えた私の姿。

「あなたの体が大事なんだから、お腹の赤ちゃんは諦めてもいいんだよ。」

そんなことを夫と母は言うこともありました。

二人ともお見舞いのたびに笑顔なのですが、いかにも作り笑顔。

いまにも泣き出しそうな顔。

ベッドの上にいる私には、その気持ちがよくわかります。

こういうとき、実は病床にいる者の方が敏感に察知するのですね。

けれども、お腹の赤ちゃんを諦めるなんてそんなつもりはありませんでした。

もちろん、絶望に押しつぶされそうになりながら、検査結果のいかんによっては出産もありうることであり結果に怯えていました。

けれども、ここで潰れるわけにはいかない!という思いもありました。

だって、せっかく授かった命だから。

誰がなんと言おうと、私が守らなくて誰が守る!

「だから、子宮さんお願いです。
これ以上、張らないでください。」

お腹の赤ちゃんには
「もう少しママのお腹にいてね。
まだまだずっといようね」

といつも声かけをしていました。

けれども容赦なく張るお腹。

特に夜が怖かった。

気を抜いた瞬間にすごく張るのでないのかと。

実際に張りが強くなるのは夜。

「早く朝が来ればいいのに」そう思いながら1日、1日をMFICUで過ごしたのでした。

永嶋泰子

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