こんにちは、永嶋泰子です。
むすめの出産、そして息子の妊娠・出産でキーパーソンとなったのが女性のK医師でした。
さて、分娩室に彼女とふたりきりとなったとき。
彼女は会陰を縫いながら、「親孝行な子だね」と、言ってくれたのです。
妊娠24週で出産したがゆえに「おめでとうございます」もはばかられるような事態。
産科の誰もがむすめが生きているのか、さえ知らない状況。
すべてはNICUの小児科医に委ねられている状態でした。
だからこそ、この言葉は嬉しかった。
そのときはひたすらに放心だったけれど、いまなら言える。
「自慢のむすめなんです。
あんなに小さいのに親のことを考えられる賢い子なんです」って。

「本当に親孝行な子だね」と言ったあと
「帝王切開だったら半年は妊娠できないからね。
でも、自然分娩だったからすぐにでも大丈夫なのよ。
きっと、この子に兄弟を作ってあげてね。
兄弟はいた方がいいから。
早産になっても次のお子さんを出産する人はいるんだよ」と。
そして、
「兄弟作ります」と答えた私。
まさか、本当に兄弟を授かる日が来るとは思わず、運命とはわからぬもの。
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小さいながらも自分の意思で生まれ、私の体を傷つけずに生まれてくれたむすめ。
あなたのおかげで私はいまでもこんなに元気なんだよ。
出産のときは素直に「生まれてくれてありがとう」なんて思えなくて、
生んでしまった…と自分を責めていたけれどいまなら言える。
「生まれてくれてありがとう。」
あなたのおかげで身も心もお母さんになれました。
あなたは紛れもなく大切な大切な私のむすめなんだよ。

永嶋泰子