天使になったあと〜グリーフ編(6)生きていた唯一の場所に行きたい。

こんにちは、永嶋泰子です。

1ヶ月ぶりの産科。

診察の結果は、「まだ生理の準備もなさそうだね」とのことでした。

それを聞いて自分がどう思ったのか2年以上経ったいまとなっては、思い出すすべもありません。

ただ、当時の日記にはむすめのこと、NICUのことが綴られています。

まだNICUに行きたいと思ってしまう私がいる
花ちゃんに会いたくて
会いたくて
仕方がないよ
NICUに行きたい
花ちゃん…
でも花ちゃんは家にいるのよね…

むすめは手元におりNICUにいないことはわかっているのに、なぜだかNICUにまだいる気がしていたのです。

産科の外来は1階。

NICUは3階。

会いたい気持ちを抑えられなくて病院の薄暗い階段を駆け上がり、私はNICUの前にいました。

1ヶ月ちょっと前まで普通に入れた場所。

NICUへ行くには2つのインターフォン付きの入口をくぐらなければならず、私が入れるわけもありません。

しかも出るときもインターフォンでの許可が必要です。

運がいいのか、悪いのか。

目の前を制服を着た関係者が通り、入口のドアが開きました。

入りたい!

気持ちを抑えられない。

むすめに会いたい。

彼女が生きていた唯一の場所に行きたい。

生きていた証をもう一度感じたい。

…..

結局、入ることはありませんでした。

むすめがいないことはわかっているから。

ただただ、入口の前で涙が溢れないようにこらえるので精一杯でした。

永嶋泰子

タイトルとURLをコピーしました