こんにちは、永嶋泰子です。

1ヶ月ぶりの産科。
診察の結果は、「まだ生理の準備もなさそうだね」とのことでした。
それを聞いて自分がどう思ったのか2年以上経ったいまとなっては、思い出すすべもありません。
ただ、当時の日記にはむすめのこと、NICUのことが綴られています。
まだNICUに行きたいと思ってしまう私がいる
花ちゃんに会いたくて
会いたくて
仕方がないよ
NICUに行きたい
花ちゃん…
でも花ちゃんは家にいるのよね…
むすめは手元におりNICUにいないことはわかっているのに、なぜだかNICUにまだいる気がしていたのです。
産科の外来は1階。
NICUは3階。
会いたい気持ちを抑えられなくて病院の薄暗い階段を駆け上がり、私はNICUの前にいました。
1ヶ月ちょっと前まで普通に入れた場所。
NICUへ行くには2つのインターフォン付きの入口をくぐらなければならず、私が入れるわけもありません。
しかも出るときもインターフォンでの許可が必要です。
運がいいのか、悪いのか。
目の前を制服を着た関係者が通り、入口のドアが開きました。
入りたい!
気持ちを抑えられない。
むすめに会いたい。
彼女が生きていた唯一の場所に行きたい。
生きていた証をもう一度感じたい。
…
…..
結局、入ることはありませんでした。
むすめがいないことはわかっているから。
ただただ、入口の前で涙が溢れないようにこらえるので精一杯でした。

永嶋泰子