天使になったあと〜グリーフ編(11)なんとか復帰した矢先の異動

こんにちは、永嶋泰子です。

外出するときに欠かせなかったもの。

それはマスク。

人に感情を悟られなくて。

涙腺が脆くなり、電車であってもむすめを思い出すと涙が止まらなかったのです。

メイクが落ちても 直す気力もなくて。

脳のなかは、娘が95パーセント。

残りの5パーセントで仕事・家事をこなしてる状況でした。

会社では電話の掛け方、パソコンのID・パスワード、細かい作業などが思い出せず、人に教えてもらう。

でも恥ずかしくて、すべてを確認できずわかったふりをして適当にやりすごす。

脳は、パンク寸前でした。

グリーフの初期の過程では、物忘れがひどくなるのはよくあることだそうです。

つい先ほど自分がしていたことすら思い出せず。

やり直してなんとか…ということが多々ありました。

ただ、仕事をする空間にいることでむすめのこと、妊娠出産のこと以外を一瞬でも考えられる、なんとか笑えている、緊張感があるということは生活に張りがもたらされたように思えました。

強制的に違う世界を味わうことで”日常”に戻っていけると思えたから。

社会復帰して、産後の体を戻して次の妊娠に備える、と。

むすめのいない現実は変わらない。

けれども自分の意識を前に向かせることならできる、と必死に思い込もうとしていたのです。

そんな矢先。

上司に呼ばれ、「4月から異動」だと告げられました。

異動…

正直なところ、”もう私はいらないということか”と思いました。

心の中で。

しかも、もっとも忙しそうな採用関係。

むすめを亡くしてから、限られた精神状態、体力で仕事、家事をしていたけれど

異動を拒否する権限などあるはずもなく、「はい」と答えるので精一杯でした。

嘘でも「頑張ります」とは言えませんでした。

永嶋泰子

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